『実家からニートの弟を引きとりました。』ネタバレ含む感想レビュー！親とは違う距離感になるほどなぁと

沼津 マリー先生の『実家からニートの弟を引きとりました。』を読んだ感想ブログです。

自由奔放な姉のマリ―さんは、ニート暦2年目の弟さんを実家から引き取ることにしました。

弟さんがニート卒業に至るまで、どう対応していたのかが描かれています。

家族にニートがいる方は必見の実体験マンガです。最終回までを含めた感想についてまとめました。

実家からニートの弟を引きとりました。作品概要

タイトル：実家からニートの弟を引きとりました。
著者：沼津 マリー
出版社 : KADOKAWA
発売日 : 2015/12/18

登場人物

●沼津マリー
沼津家の長女。ファッションデザイナーを目指し福岡県から18歳で上京。バイトの水商売にハマり、21歳の時にインドでキャバクラを立ち上げるも22歳で帰国。その経験を活かし漫画家として東京で一人暮らし中。

●沼津ポン太郎
沼津家の次男。マリーより6歳下の弟。15歳で高校中退し、その後は2年間実家でネトゲ三昧のニートとなった。

●沼津テン助
沼津家の長男。マリーの1歳年下の弟。優秀な成績で大学院生となり、福利厚生のちゃんとした会社に就職。

●父
高校教師。子ども達には優秀な成績、良い大学、良い会社に進むことを望み、教育にお金も力も注いできた。

●母
ポン太郎にキツク当たる夫と、それを無視する息子との板挟みに。

あらすじ

実家からニートの弟を引きとり、養うことを決めた駆け出しのマンガ家・沼津マリー。

ゲーム三昧の弟は姉との同居によってどう変化していったのか──⁉

巻末には精神科医・斎藤環氏による、姉マリーが行って来た対応についても描かれています。

この作品がお勧めできる人・できない人は？

▼お勧めできる人▼

▼お勧めできない人▼

こういった方には合わない作品かと思います。

▼突然、消息を絶った普通の夫の秘密とは▼
『わたしは家族がわからない』あらすじとネタバレ含む感想レビュー！読後がめっちゃ重いので要注意

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『実家からニートの弟を引きとりました。』の感想（ネタバレ含みます）

【注意】ここより以下はネタバレ含みます！

教師の父親でもニートの対応は難しい

沼津家の父親は高校教師で、沼津家の親族は裁判官、官僚、銀行員などに従事しているエリートの家系です。

当然、自分の子供たちの教育にも熱心で、良い学校、良い大学、良い会社に勤めて欲しいと考えていました。

マリーさんの一番目の弟さんは、お父さんの願い通りに育ったそうです。

ところが長女のマリ―さんは自由奔放、次男のポン助さんは高校中退のニートと、二人とも父親の理想とは違うコースを歩み出しました。

幸いマリーさんは、自分一人なら食べて行けるぐらいに稼いでいけるようになりました。

ですがポン太郎さんは、高校中退後はバイトもせず、昼夜関係なくネトゲ三昧。

そんな姿を見た父親は、焦りと不安、心配、怒りがぐちゃぐちゃになってしまうのです。

参考にしたいマリーさんのニートに対するスタンス

外野から子育てに対してダメ出しをされがちな親と違い、マリーさんはきょうだいなので「育て方がうんぬん」と言ったことは言われません。

その点ではご両親より少し気楽なうえ、何よりマリーさん自身が自由奔放なタイプだったので、ニートな弟に対するスタンスがちょうど良い塩梅なんですよね。

マリーさんが選んだのは『家康スタイル』とにかく待つことにしました。

動かぬなら動くまで待つ。何を言ってもどうせゲームをするのだから、好きなだけやらせてみようというわけです。

時々、漫画の仕事を手伝ってもらったり、弟を養うためダブルワークで家をあける自分のためにお米を炊いてもらったり等の役割は与えます。

そんな家康スタイルが功を奏したのか、全く動かなかった弟が無料の求人誌を家に持ち帰ってきたのです！

結果、応募まで至らなくても、変化していることを評価する姿勢が素敵だと思いました。

結末を読んで｜自己肯定感が高いとニート卒業が早いかもと思った

最後の方ではニートだったポン太郎さんが、進学し学校に通い出す場面が描かれています。

進学する前に行ったバイトも、進学先も全ては大好きなゲームに関するものばかり。

ポン太郎さんのゲーム暦は2歳から始まり、ネトゲも小学1年生でデビュー、それから10年以上、全く飽きずにゲームを続けているそうです。

人生の大半をゲームと供に歩んできたので、その世界が自分の軸になっているのだと思います。

それは大人も同じで会社以外の場所、たとえば習い事、地元の友だち、行きつけのお店などがあると、本業で嫌なことがあっても何とかなることってありますよね。

こっちではダメな自分だけど、こっちでは良い感じの自分。それがあることで自分に自信を持てるのかなと思いました。

この作品の巻末には精神科の斎藤環先生に、マリーさんの疑問を答えてもらう番外編があります。

今回のマリーさんの対応について専門家の意見が参考になりますよ。

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