尾崎衣良さんの『真綿の檻』を読んだ感想ブログです。
実家では家族のために尽くし、常に周りを支えてきた長女。
結婚をして家を出た姉を気にかけた弟が訪れると、そこで見たのは亭主関白な夫の言いなりで働き続ける姉の姿だったのです・・・
最終回までを含めた感想についてまとめました。
真綿の檻作品概要
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タイトル:真綿の檻(1)(2)(3)
著者:尾崎衣良
出版社 : 小学館
発売日 : 2021/12/8
登場人物
●清武榛花(きよたけはるか)
良く言えば優しそう、悪く言えば気が弱そうな印象の女性。フルタイムで働いているが、家事は全て担当しているらしい。
●宮崎聖司(みやざきせいじ)
榛花の弟。結婚後も姉を気にして、妻の紗英と一緒に姉夫妻の家へちょくちょく訪れている。
●宮崎泰枝(みやざきやすえ)
榛花と聖司の母親。教師である夫は家のことは何ひとつしなかったため、家事も夫の家業も、義両親の介護もすべて一人で行っていた。
●清武一広(きよたけかずひろ)
榛花とは大学時代から2年の交際を経て結婚した。
あらすじ
男の子が生まれることを良しとするような、古い価値観が残る地方で生まれ育った姉と弟。
姉は優秀さをひけらかすことなく、常に控えめで親や家族に尽くし続けてきました。
そんな姉が結婚をした相手は、絵に描いたような亭主関白な夫だったのです。果たして彼女の人生とは・・・
この作品がお勧めできる人・できない人は?
▼お勧めできる人▼
家族からのモラハラを感じている人
家事についてモヤモヤしている人
家族との距離感に悩みを感じている人
最終的にスカッとしたい人
▼お勧めできない人▼
短気な人
男女平等にイラつきを感じる人
▼勧善懲悪だけど本人はサイコパス▼
『小悪魔教師サイコ』あらすじとネタバレ含む感想レビュー!小悪魔なんて可愛いレベルじゃありません
【ネタバレ含む感想】真綿の檻の面白かったところ
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【注意】ここより以下はネタバレ含みます!
昭和な夫にもイラつくが従順な妻にも腹が立つ
主人公榛花の夫は、ソファから一歩も動かないような男でした。生理が重くて顔色が悪い榛花に対し「別に病気じゃない」、家事が進んでいないことも「体調が戻ったら洗えばいい」と手伝う素振りも見せず言い放ちます。
フルタイムで働き、家事も全て一人で行って常に働き続けている姉。それなのに自分の自由に出来るお金が無いと聞いて弟は絶句します。
結婚前は両親に尽くし、そして結婚後は夫に尽くし「他人のために生きている」ように見えるのも当然ですよね。
この作品を読んでいて、古い価値観の父親、それを不満に思いながらも我慢し続けてきた母親、男というだけで数々の面倒を逃れてたきた弟、亭主関白で偉そうな夫という数々の嫌な登場人物が登場します。その全員に対して反抗しない、主人公の榛花に対してもイライラしてしまいました。
反論されないということは、モラハラの張本人からすれば「本人も納得している」「やっぱり自分が正しいのだ」と都合よく解釈されてしまいますよね。
そんななか、榛花の実家でちょっとしたトラブルが起こり、子供達からのサポートが必要だと親から連絡が入ります。
当たり前のように家族は榛花がそれをやってくれるものだと思うのですが・・・1巻のラストではモラハラ夫が、そのモラハラの力を活かして大きく事態を動かしました。まさに毒を以て毒を制す展開が繰り広げられます。
なぜ榛花は離婚を選ばないのか?
漫画アプリ等の広告で、この作品を知った方も多いと思います。私もそのうちの一人です。
そんな酷い夫と別れて実家に帰ってくればいいと言う家族に対し、なぜか「離婚なんかするか!」と啖呵を切っていたのが印象的でした。
この広告を見ていた人は、なぜ?と理由が気になって仕方なかった場面だったと思います。
その疑問は2巻で解決します。次々とオセロのようにひっくり返る展開に驚かされること間違い無しですよ。
母親と娘の新たな距離感が新鮮・・・!
2巻の内容で完結しても違和感ありませんが、あえて3巻で母親目線のエピソードが収録されています。
美しかった母親が、家に縛られ、義家族に無償でこき使われて、若さも心もどんどんすり減っていく様子に読んでいるこちらも辛くなってきました。
榛花はちょっとボーっとしていて表情にやや乏しい反面、ロジカルで頭が良くて正論をズバッと言うので一見冷たい感じを受けるかもしれません。
でも優しい言葉をかけることだけが優しさとは限らない。こんな距離感で母親と付き合えたら最高だなと思いました。
お母さんもこれから頑張って欲しい・・・
最後に:真綿の檻の結末はスカッと系でした
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なぜモラハラを受けている妻が離婚を拒絶するのか?その疑問を解決したくて読んだ作品でした。
まさか2巻で想像を裏切られ(良い意味で)、3巻で子育てについて考えさせられるとは全く予想もしていない展開でした。
この作品は最低でも2巻まで、出来れば3巻まで全て読んで欲しい漫画です。かなり推せますよ!
他にもあります『毒家族系』マンガ作品情報
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