『真綿の檻』～高鍋祈里編～ネタバレ含む感想レビュー！さらにミステリー要素がレベルアップ！

尾崎衣良先生の『真綿の檻』～高鍋祈里編～ を読んだ感想ブログです。

過去の失恋から、恋愛に苦手意識を持った女性が主人公です。

その相手と再会によって、彼女を苦しめていた本当の謎が解き明かされていく物語。

マイクロ版4～7巻の感想についてまとめました。

『真綿の檻』～高鍋祈里編～ 作品概要

タイトル：真綿の檻(4)(5)(6)(7)
著者：尾崎衣良
出版社 : 小学館
発売日 : 2022/9/8～

前シリーズの清武榛花編の感想はこちらから読むことができます。

あらすじ

高鍋祈里（たかなべいのり）は、恋愛に苦手意識がある24歳の女性です。

職場の同僚である都農（つの）の熱心なアタックにより、思い切って交際することにしました。

ところが彼は単身赴任中の既婚者だったと知り、ショックを受ける祈里。

地元で噂になる前にと弁護士事務所に相談します。

その事務所で高校時代の同級生、日向隆宏（ひゅうがたかひろ）と再会します。

隆宏は祈里の高校生時代のボーイフレンドで、彼女にとって恋愛のトラウマとなった相手だったのですが・・・

この作品がお勧めできる人・できない人は？

▼お勧めできる人▼

▼お勧めできない人▼

1～3巻の主人公と今回の主人公が、どちらも黒髪＆ショートカットでパッと見は同一人物に見えます。

別の物語となりますので、前回の続編を希望している方はご注意ください。

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『真綿の檻』高鍋祈里編の感想（ネタバレ含みます）

【注意】ここより以下はネタバレ含みます！

母と娘の関係は良好だけど父親は・・・

今回の設定も前回と同様に、地方の息苦しい世界で思春期を過ごした女性が主役です。

前作は母親が娘に対してキツくあたるタイプでしたが、今回の祈りの母親は違います。

父親はやっぱり今回も嫌なヤツでしたけど、祈里の母親は父親に強くは出られないものの、娘にも気を配ってくれる優しい女性です。

母親は一人で義父の介護をしていて、祈里もそんな母親のことを気遣っています。

元彼・日向隆宏の淡々としたキャラが良い

物語の始まりは落ち着いた印象の祈里でしたが、元々はけっこうおバカな所もあり、とても明るい女の子だったようです。

彼女を閉鎖的な人間へ変えたのは、高校生時代のボーイフレンドである隆宏との辛い別れが原因だったんですね。

誤解の原因について隆宏が淡々と謎を解明していく様子は、メガネ探偵好きの女子なら必見の展開となっています。

あまり感情を見せない彼ですが、祈里のことを誰よりも深く理解し、彼女を明るい方へ連れ出してくれる存在なのが読んでいて伝わりました。

彼の聡明さと心の穏やかが、祈里にとって大事な世界へと変化していったんでしょうね。

知ってから読み直すとめっちゃ怖いです

7巻で祈里を苦しめてきた謎が解明され、最終的にそれを行ったのは誰なのかが分かります。

犯人が分かったうえで、もう一度読み直すと背筋が寒くなりました。

祈里の父親はいかにもな亭主関白で対面を重んじるタイプの人間ですが、良く言えば分かりやすくもあるんです。

いわば動かしやすい駒。こんな情報を与えれば、こう動くだろうという単純な人間です。

では誰が動かしているのか。前作と同様にもう一度読み直したくなる伏線が絶妙な作品ですよ。

最後に：高鍋祈里編の結末は「管理する者」でした

現在発売中の7巻ラストでは、祈里を苦しめた犯人が判明します。

前作の榛花は母親のストレスをぶつける対象となっていましたが、今回の祈里を取り巻く闇はもっと根深いようです。

彼女を縛るものは田舎という地域なのか、はたまたもっと身近で狭いところなのか・・・

他にもあります『毒家族系』マンガ作品情報

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