『はなものがたり』ネタバレ含む感想レビュー！おばあちゃん同士なのにニヤニヤが止まらない！

schwinn先生の『はなものがたり』を読んだ感想ブログです。

主人公のはな代は、夫に先立たれ49日を迎えたばかり。

そんな彼女の目をくぎ付けにしたのは、商店街で化粧品店を営む女性だった──

1～2巻を読んだ感想についてまとめました。

『はなものがたり』1巻 作品概要

タイトル：はなものがたり
著者：schwinn
出版社 : KADOKAWA
発売日 : 2022/8/23

主な登場人物

●西田はな代
短大を卒業し、信用金庫で働いたのち寿退社。
その後は家事と育児に追われる日々を過ごしてきた。

●堂島芳子
商店街で化粧品店MIYOSHIを営んでいる。
スラリとした長身のマダム。

●莉子
はな代の孫。服飾系の専門学校生。

あらすじ

長年連れ添った夫を亡くした、はな代。

これまでは口うるさい夫が常に一緒だった為、一人で街歩きをすることもありませんでした。

そんな彼女が商店街で見つけたのは、化粧品専門店を営む芳子。

彼女の美しい佇まいに目が離せなくなった、はな代に芳子が声をかけてきて──

まったく違う人生を歩んできたふたりが、互いに少しずつ惹かれ合っていく物語。

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『はなものがたり』1巻の感想（ネタバレ含みます）

【注意】ここより以下はネタバレ含みます！

好きを我慢してきた女性に読んで欲しい作品

主人公のはな代は、実家にいたころは「女だから」「お姉ちゃんだから」と弟とは違う待遇を受けて育って来ました。

そんな彼女が結婚をした相手は、とにかく口を出してくるタイプ。妻の一挙一動に反応し全てにおいてケチをつけてきます。

彼女自身が育ってきた環境もあり「夫とはこういうものだ」と、反論することもありませんでした。

でも本当は自分の中で湧き上がった違和感や感情を、無視する必要は無かったんですよね。

ばあばの呪いを解いた相手とは？

自分の感情に蓋をして生きてきた、はな代を気にかけていた人物がいます。

それは孫の莉子。彼女は、ばあばの生き方に対して思う所があったようです。

でも若い莉子の言葉では、はな代にかかった長年の呪いは解けません。そんな、はな代に転機が訪れました。

偶然通りがかった店先から芳子の姿が目に入り、釘付けになったまま通り過ぎることが出来ません。

これはもう一目惚れですよね。

でも“ひとめぼれ”って必ずしも、人だけが対象じゃない。

後日、莉子がその時の話を聞いてこう言いました。

お化粧にときめく
お洋服にときめく
素敵な人にときめく
ぜえんぶとっても恋！

はな代の夫は常にひと言多く、妻に対してチクチク嫌味言い続けてきました。

長年かけ続けられた言葉は、はな代に深く深く刷り込まれてしまったのです。

はな代が口紅を塗ろうとすると、亡くなった夫の声が浮かびます。

「そんなんして誰が見んねん」
「みっともない」

口紅蓋も開けないまま、はな代は引き出しに戻してしまう場面が印象的でした。

ずっと前からそこにあったはずの店にも気が付かず、趣味も生きがいも持たずに来た、はな代。

この作品はそんな彼女が恋をする気持ちを取り戻して、日常に色を塗り出す物語なのだと思いました。

こんなん言われたらキュンやで！

相手がお洒落な服を着てきたのは、自分の所に来るためだったと言われたら？

実はずっと自分が耐えてきたことを、相手がそれを知って自分の代わりに怒ってくれたら？

相手が初めて下の名前を呼んでくれたら？

少女漫画がすんなり入ってこなくなった人にこそ、この作品を一度試して欲しいです。

はなものがたり1巻の結末は人生の希望＆ニヤニヤでした

10代の頃に「女だから」と選択を狭まれていた、はな代さん。

今さらの笑い話として出したつもりが、芳子さんから新しい道を進むヒントをもらいます。

現役世代であれば「今はそういうことも出来るよね」と知っている情報かもしれません。

でも、はな代さんにとっては、自分の人生にはもう関係の無いことだと調べることすら思いつかなかったのでしょう。

芳子さんから教えて貰ったことで、今からでも自分のために人生を進んで行ける。1巻はそんな力強いラストで終わりました。

思春期みたいなニヤニヤがたまらん！

1巻のラストにはオマケ漫画が２つ載っていますが、どちらも読んでニヤニヤしちゃいました。

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『はなものがたり』2巻の感想（ネタバレ含みます）

続けたいから距離を大事にするのは大人だから

楽しいからずっと一緒にいたい、同じ時を過ごしたいという気持ちがわき上がることありますよね。

でもそれで失敗したことがあるからこそ、長く良い関係を続けるために距離を取ろうとするのも大人だからこそ。

無邪気に発言してしまう、はな代に対して芳子さんがスッと落ち着かせる感じ。それがとても良いなと思いました。

自分の世界を広げられる相手がいる幸せ

恋をするとそちらの世界に没頭してしまいがちですですが、逆にはな代さんは芳子さんに出会うことで世界が広がりました。

広がったというより、閉じていた扉を自分から開く勇気をもらったように感じます。

行ってみたい場所に足を運び、やってみたかったことに自分から情報を求めて動き出す・・・

この作品を読んでいると恋のドキドキも感じつつ、新しい世界を広げていくワクワクさを感じられるところも最高ですね。

はなものがたり2巻の結末もニヤニヤで締めました

この作品は、はな代さんの大胆な失言も見どころのひとつ（笑）

今回のオマケ漫画でもサラリと口に出して、後から恥ずかしさのあまり布団の中で悶えるシーンが可愛らしかったです。

自分の息子に芳子さんのことを「おばはん」と連呼されて怒った場面には「よくぞ言った！」と胸がスッとしました。

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