押見修造先生の『血の轍』を読んだ感想ブログです。
主人公は母親から、たっぷりの愛情を注がれて育った中学2年生の男の子。
美しく優しい母親に愛されてきた彼は、まさか母親によって自分の人生が狂わされるとは夢にも思っていなかったでしょう。
作品を読んだ感想についてまとめました。
『血の轍』作品概要
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タイトル:血の轍
著者:押見修造
出版社 : 小学館
発売日 : 2017/9/8~
登場人物
●長部静一
中学2年生の男子だが、今でも母親の言うことをきく素直で良い子。母親からは「静(せい)ちゃん」と呼ばれている。
●長部静子
ひとり息子の静一に対し、周りからは過保護と言われている。若々しい見た目の美しい女性。
●静一の父親
ごく普通の会社員。休日出勤もあり仕事はそれなりに忙しい様子。家のことは妻に任せている様子。
●吹石由衣子
静一と同級生の女の子。泣きぼくろと切れ長の瞳が印象的な美少女。
●しげちゃん
静一の同年代の従弟。大人しい静一をからかう面もあるが、基本的には仲が良い。
この作品がお勧めできる人・できない人は?
▼お勧めできる人▼
・毒親テーマが好きな人
・母親×娘の毒親モノに飽きた人
・色気がある闇が深そうな女性が好きな人
▼お勧めできない人▼
・空気感を読み取るのが苦手な人
・ジメっとした感情の描写が苦手な人
▼一見モラハラ・裏テーマは毒親▼
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【注意】ここより以下はネタバレ含みます!
『血の轍』1巻の感想(ネタバレ含みます)
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母親は息子を傷つける相手を徹底的に排除したい
作品の冒頭に、静一が3歳だった時の記憶が登場します。
それは道で亡くなっていた猫を、母と二人で優しく撫でたという微笑ましい光景でした。
それから10年以上経ち、中学2年生になった静一。
やんちゃな同年代の男子達からすると、おっとりした性格の静一は、いじりたくなるタイプです。
静子からすれば男子同士のいじり合いは、大事な息子に危害を与えるかもしれない不安を煽ることにもつながりました。
その行為が行き過ぎた時、読んでいるこちらの息が止まるような衝撃的な展開が起こったのです。
母親は息子から向けられる愛が減ることに敏感
おっとりした静一ですが、そんな彼もお年頃の男子です。クラスメイトの吹石さんという少女が気になっていました。
そんな彼女と一緒に帰ったその日、すぐに様子が違うことに母親の静子は気が付きます。
息子からの愛を自分だけが独り占めしてきただけに、それが少しでも逸れたことに危機感を感じたのでしょうね。
1巻最後のセリフが気持ち悪かったです
1巻のラストでは母親が息子の静一に対して、甘えた言葉を発します。
まるで子供が親にねだる時の様な、または年上の恋人に求めるようなセリフでした。
あどけなさの残る息子に対して甘える母親の様子に、幼少期の何らかのトラウマが感じられる場面でした。
『血の轍』2巻の感想(ネタバレ含みます)
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主人公の心情を考えると辛すぎる
母親の秘密を、供に抱えることになった息子の静一。
しかも人の生死に関わる秘密ですから、そのストレスは計り知れません。
大好きな母親を庇いたい、でもそれが正しいことじゃないって分かっている。
主人公の行動で裏切られた気持ちに
そんな迷える静一にとって希望の星は、同級生の吹石さんです。
ところが彼女が勇気を出して起こした行動も、勘のするどい静子が見抜いてしまうのです。
そして耳を疑うような提案をする母親に対し静一が取った行動は・・・
2巻の最後は母親がとにかく気持ち悪かったです
何が起こったかは具体的に書きませんが、とにかく
のひと言でしかありません。漫画で起きたことなのに、自分にも感触が起きたような気持ちになりました。
『血の轍』3巻の感想(ネタバレ含みます)
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母親の表情の揺れが狂気すぎる
前の巻からの続きで、妻が車に戻ってこないため夫(父親)がやってきました。
振り返った静子のただならぬ色気と、その後に夫を追い払う表情との落差に圧倒されるのです。
静子の過去になにかがありそう
後日、静一は父と母が言い争う場面を目撃してしまいます。
どうも母の静子は、夫側の家族に対し不満を持ち続けていたようです。
夫が自分たちよりも、あっちの親族を大事にしていることに対して不満を感じていたのですね。
これらは多くの嫁に共通する心情かもしれませんが、どうもそれ以上に静子の生い立ちに何か関係がありそうな感じはしました。
この時点ではまだよく分かりません。
3巻の最後は毒親というよりメンヘラ女子でした
静子は息子の静一に、いざという時は自分と一緒にこの家を出ようと提案します。
それを受け入れた静一ですが、肉体的なスキンシップには反射的に抵抗してしまいました。
それで一気に気分を害した静子は、まるでメンヘラ女子が恋人にするように言葉で静一に対して脅しをかけるのです。
『血の轍』4巻の感想(ネタバレ含みます)
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母親の切り替えの早さが怖すぎる
息子に対するメンヘラ女子対応から一転、翌朝にはいつも通りの態度に戻っているのがむしろ怖さを感じました。
当然ですが息子の静一はまだ中学生。過度なストレスによって、うまく言葉が話せなくなってしまいます。
やっぱり静一を救うのは恋しかない?
静一の声が出なくなったことに、友人も教師もそこまで追求しませんでした。
そんな彼の様子を気にかけてくれたのは、やっぱり吹石さんです。
彼女となら普通に話せる、呼吸ができる、静一にとっては吹石さんは特別な存在になりつつありました。
4巻最後は呼吸をするのを忘れるほど怖かった
このまま甘酸っぱい状態で終わって欲しい・・・という願いも虚しく、4巻のラストはこれまでで一番怖かったです。
行動的には1巻の方が怖いはずなんですよ。でも4巻の方が読んでいて呼吸が苦しくなりました。
何をされるか分からない恐怖を感じる場面です。心臓の弱い方は要注意ですよ。
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